'15-01-23 「東京電力への直接請求に関する会長声明」を発出しました

「東京電力への直接請求に関する会長声明」



 東京電力株式会社(以下、東京電力という)は、福島第一原子力発電所の爆発事故(以下、福島第一原発事故という)の被害者との和解契約に関し、平成26年9月より「宅地・田畑以外の土地および立木に係る財物賠償」および、平成26年10月以降の「田畑に係る財物賠償」の合意書に清算条項とも読み取れる条項を盛り込んでおり、以前にも似たような文言について指摘されては、修正をするという行為を繰り返している。

 そもそも、福島第一原発事故は、未曽有の人災であり、いまだその収束の目途は立っておらず、被害の全容は不明な部分がある。また、東京電力への直接請求による賠償金の請求は、被害者が東京電力の定める請求書へ記載し、それをもとに東京電力が作成した合意書に合意することによってはじめて賠償金が支払われるという、加害企業が主導し運用している手段である。被害の全容がわからない現状で、加害企業が主導している直接請求において、被害者に誤解を抱かせる行為をすることは、被害者の損失の充分な回復を阻害することになりかねず、決して許されるものではない。

 東京電力に対し、今後、被害者に誤解を抱かせる表現を用いないよう求めるとともに、改めて被害者の立場に立った賠償を行っていくことを求めるものである。


2015年(平成27年)1月23日

全国青年司法書士協議会
会長 水 谷 公 孝