意見書・声明文

2009年11月13日
会長声明(規制緩和報道)

 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の青年司法書士約3,000名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。

 当協議会は、日頃より多重債務問題の抜本的解決に取組み、被害者救済活動をしている現場の法律家として、改正貸金業法の完全施行に関する一部報道を受け、以下のとおり声明を発表する。


 11月1日付けの日本経済新聞は、朝刊一面で政府が消費者金融など貸金業者向けに強化してきた規制を緩和する方向で検討すると報じた。金融危機などの影響で個人事業主の資金繰りが悪化していることを重視し、総量規制の妥当性や激変緩和措置の導入の是非などを議論し、検討結果によっては改正貸金業法の規制強化策を当面凍結することも排除しない、ということである。そもそも、貸金業法が改正されたのは、消費者金融が顧客の収入・返済能力を考慮せず、高利で貸し続けてきたことによって、大量の多重債務者を社会に生み出してきたからに他ならない。事業主の資金繰りは、従業員らの生活を守るため、経済的に健全な事業の継続のために行われるべきであり、債務の返済のために行うことを前提にすべきではない。

 改正貸金業法は、2006年に社会問題化した多重債務の実態が明らかとなったことから、43の都道府県議会及び1136の市町村議会で「グレーゾーン金利の廃止を求める意見書」等が採択され、国会でも十分議論がなされ、その結果として衆参両院とも全会一致で成立したものである。市民の声によって成立した改正貸金業法が、多重債務問題を作り上げてきた消費者金融を優遇する方向での見直しがなされることは、市民の声に反し決して許されるものではない。

 今検討すべき事は、多重債務者を無くし、誰もが借金をせずに安心して生活できる社会を作るため、社会保障の充実とセーフティネット貸付を充実させ、確立させることである。

 当協議会は、多重債務被害の原因と深刻さを軽視したかのような当該報道を受け、金利規制・総量規制の緩和に向けた検討が、市民の意思にも背く不適切なものであることを指摘し、特例等一切の変更がない改正貸金業法の完全施行を求め、更なる活動を続けることをここに宣言する。

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