意見書・声明文

2009年09月08日
就職安定資金融資制度の利用者等に対する継続した支援策等を求める意見書

内閣総理大臣 麻生 太郎 様


 私たち全国青年司法書士協議会は、全国の青年司法書士約3,000名で構成する「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。

 当協議会は、正規・非正規を問わずさまざまな立場の労働者(離職者・求職者を含む。)の権利の擁護に資するために労働問題の相談会を実施し、さらに、生活上の困難を抱えた市民に対して生活保護に関する相談会を行ってきた立場から、政府・厚生労働省の実施している「就職安定資金融資制度」及びこれに関連する諸制度に関して、以下のとおり意見を述べる。


■ 意見の趣旨 ■

(1)就職安定資金融資制度の期間満了後の長期失業者等に対する継続した支援策を早急に打ち出すべきである。
 政府は、就職安定資金融資制度の利用者等が長期に失業を強いられている場合に、利用者等が住居の喪失等の生活基盤の喪失という事態に陥ることのないよう、就職安定資金融資制度の期間満了後の継続した就職支援及び生活支援のための施策を早急に打ち出すべきである。

(2)基金訓練の早期実施と周知徹底を図るべきである。
 政府及び厚生労働省は、緊急人材育成・就職支援基金による事業を早急に全国で実施するとともに、これを必要とする離職者等並びに市区町村等の行政機関及び民間の相談機関等に周知徹底を図るべきである。

(3)ハローワークにおいて他のセーフティネット施策との密接な連携を図り、長期失業者等が住居の喪失等の事態に陥ることのないよう十分な配慮をなすべきである。
 就職安定資金融資制度及び基金訓練等の実施にあたっては、離職者等の第1次的な相談機関であるハローワークにおいて生活保護を含む他のセーフティネット諸制度との密接な連携を図り、住居の喪失等の生活基盤の喪失の事態に陥ることのないよう十分な配慮をなすべきである。


■ 意見の理由 ■

(1)の意見について

①事業主都合による解雇や雇い止め等により住居を喪失した方々、及び喪失するおそれのある方々への支援策として政府が打ち出した「就職安定資金融資」制度については、制度の開始から半年以上が経過し、現在、多くの利用者が、同制度の融資期間である6ヶ月(最大8カ月間)の期間の満了を迎え又は迎えようとしている。

②就職安定資金融資制度は、離職者等が一定期間の家賃及び生活資金を国から借り入れて住居その他の生活基盤を整えたうえで求職活動を行うという制度設計であったところ、完全失業率が過去最悪の基準で推移する状況の中で、離職者等が再就職を果たすことは極めて困難な状況となっている。

③そこで、再就職することなく、すなわち、安定した収入を得ることなく、就職安定資金融資制度の期間の満了を迎える方々が、現在までも多数生じており、今後も生じることになる。

④政府はすでに、雇用促進住宅等の公的施設に入居中である同制度の利用者については、入居期間の延長さらには家賃の猶予等の措置を講じているところであるが、民間の賃貸住宅等へ入居した利用者については、政府・厚生労働省による継続的な支援策が早急に講じられなければ、住居の喪失等を余儀なくされ、その中にはホームレス状態に陥る場合や、最悪の場合は自殺という選択にいたる場合も考えられる。

⑤そこで、就職安定資金融資制度の利用者の期間満了後の継続的な支援を行うために、政府が早急に支援策(就職支援、生活支援)を打ち出す必要があると考える。

(2)の意見について

①政府は、雇用保険の受給資格のない方々(失業手当を受け取る資格のない方々)を対象として、平成21年度補正予算により、「緊急人材育成・就職安定基金」を創設している。
 同基金は、雇用保険からもれる長期失業者や離職者が、生活費の支給を受けながら、職業訓練を受けて再就職を果たすことを支援する制度である。

②同制度は、平成21年7月29日に開始されたが、同基金に基づく職業訓練等の具体的な準備が整わず、現在では限られた都道府県労働局管内でしか実施されていない状態である。

③同基金に基づく職業訓練や生活支援の給付を必要としている方々の需要を踏まえ、同制度を早急に、全国で実施すべきであることは言うまでもない。

④また、政府及び厚生労働省は、緊急人材育成・就職支援基金を必要とする離職者等並びに市区町村等の行政機関及び民間の相談機関等に周知徹底を図り、離職者等のこの制度へのアクセスを十分に保障していくべきである。

(3)の意見について

①就職安定資金融資制度及び上記基金訓練事業は、ともにハローワークが運営主体となっており、ハローワークは、離職者等に対する第1次的な相談機関となっている。

②ハローワークにおける事業の実施においては、これらの制度及び生活保護制度を含む他のセーフティネット諸制度との密接な連携を図り、また、必要であれば民間の機関と連携をとり、離職者等が、住居喪失等の生活基盤の喪失の事態に陥らないよう十分に配慮した運営をすべきである。

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